作品の中に現れるいくつもの円と白い炎のようなものは、シャボン玉の影です。
 空中に浮かんでいるもの、印画紙の上に落ちたもの、弾けて飛び散ったものなどが描かれています。フォトグラムなので、絵柄は実際の明暗の見え方が逆転したネガになります。レンズを使わない暗室内の仕事です。外界の出来事を撮るといういわゆる時間的な記録性は無く、写真の一種と説明するよりも、影絵または光画と言った方が近いでしょう。 
 私のフォトグラムの主なモチーフは、その時々の微妙な光の加減で様々に表情を変える水です。光り輝く光線の中に私達の感じ取る事のできる全ての色が隠されているように、無色透明な水は無限の階調の中に記されます。
 

普通フォトグラムはネガやレンズ等を使わないので粒子や曇りのない素晴らしい質感を得る事が出来ますが、水は液体なので前もって予測した絵柄を得るのが困難です。シャボン玉は弾けてしまい、何処へ飛んで行くかも分かりません。その為制作はほとんどの部分を純粋な科学的現象と偶然にまかせる事になり、そこから引き出されて来るイメージは確実に私の思いやひらめきを超えるものとなります。

1999年「光の描いた画、水の影」展

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